INTEGRATED REPORT PORTAL

更新日:2021/10/25

グループCFOメッセージ

中長期の成長に向けて
大胆な投資を実行し
企業価値を最大化する

新生ZHD・GCFOのミッション

LINEとの経営統合によって
未来創造のための財務環境が整いました

 2021年3月のLINEとの経営統合により、私たちZホールディングスグループには、中長期的成長の実現に向け高いポテンシャルをもつキーアセットが一気に増えました。グループのキャッシュ・フロー創出力も一段と高まり、これまで以上に大規模な戦略投資が可能になっているなか、財務を担うGCFOとしてより大胆な戦略投資を実施し、各事業を伸ばしていきたいと考えています。

 インターネット業界は非常に高い成長性が期待できる一方で、 Winner takes all (勝者の総取り)とも言われる厳しい世界でもあります。格付け維持を意識した適正な財務レバレッジ(ネットレバレッジレシオ2.5〜3倍水準/銀行業除く )など一定の財務規律を維持しつつも、「攻めどき・攻めどころ」を逃すことなく、持続的成長につながるキャッシュ・アロケーションを実行していきます。今後5年間で5000億円規模の戦略投資を行う予定ですが、資金は基本的に事業キャッシュ・フローから充当していく方針です。

 なお、戦略投資の効果をより明確にすべく2021年度より経営指標を「調整後EBITDA」ベースに変更しました。中長期の成長目標としては「2023年度に売上収益2兆円・調整後EBITDA3,900億円」を掲げ、達成をめざしていきます。

2020年度の総括

攻めと守りの両輪による機動的な戦略推進により
2年連続で増収・増益を達成できました

 2020年度はコロナ禍という先の読めない状況のなかで、起こり得るあらゆるシナリオを想定しつつ、慎重かつ機動的に経営を進めました。

 コロナ禍以前から当社グループでは2週間に1回程度の頻度で経営陣全員が集まり、現状確認と3〜6カ月後の業績見込み(フォーキャスト)を行っていましたが、コロナ禍の到来以降はこの頻度を毎週あるいは週2回にまで高めました。そしてアスクルやZOZOなどのグループ会社も含めた「コンティンジェンシープラン」を作成し、不要不急の費用は抑制しつつも、市場の動きに即応した資本投下をタイムリーに実施しました。

 コロナ禍の影響で苦戦した事業も幾つかありましたが、全体としてはいわゆる巣ごもり需要によるネット利用の拡大や、感染防止対策を背景とした“キャッシュレス”ニーズの高まりなどにより好調に推移し、通期の売上収益は1.20兆円(YoY+14.5%)、調整後EBITDAも2,948億円(同+18.8%)といずれも2年連続で2桁成長を達成できました。

2020年度の総括

未来創造のためのM&AとPMI

PMIを着実に進め、
統合シナジーを最大化していきます。

 ヤフーとLINEとのサービス統合に関しては意思決定機関として「プロダクト委員会」を新設し、両社の全サービスについて相互補完やシナジー、取捨選択に関する議論を毎週行っています。同様のサービスが存在する場合も、顧客層の違いなどもあるためすぐには集約せず、将来的に1+1が3以上になることをめざして検討を重ねています。一方、LINE公式アカウントやLINEギフトなど、統合後も唯一無二であるアセットに関しては、クロスセルによるグループ一体での提案をすでに広げています。

 PMIに関して当社には多くの成功実績があります。アスクルのLOHACO(ロハコ)はヤフーが提供する「XS(クロスショッピング)エンジン」の導入により、サイト運営にかかる固定費を抑え、コストシナジーを実現しています。またPayPayカードは、ヤフーのECとの連動で、一休はYahoo!トラベルとの一体運営によって、それぞれ取扱高や収益を大きく伸ばしています。最近もZOZOは当社グループに参加以降、取扱高、営業利益率を伸ばし、時価総額は買収時の2倍(約1.2兆円)にまで上昇しています。こうした成功事例を通して得た多様なPMIのノウハウを活かすことで、LINEとの統合も必ず成功させられると考えています。

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経営資源の効率活用

3つの事業セグメントへの効果的な投資とともに
「選択と集中」をさらに徹底していきます

 当社は今年度より、セグメントをメディア事業・コマース事業・戦略事業の3つに変更しました。今後の戦略投資もこのセグメントに基づいて実施していきます。インターネット広告、EC、キャッシュレスの各市場は、いずれもまだ大きな伸びしろがあり、そのポテンシャルを最大限に引き出すために、サービスの価値を高めるものづくりのためのAI人材確保とマーケティングへの投資を積極的に進めていきます。

 一方で、経営資源の効率的活用の観点から、事業撤退に関する迅速な判断もGCFOの重要な使命であると認識しています。この3年間だけでも、当社は複数社の売却を実施しており、今年度もFX事業の売却を既に決めています。保有アセットが大きく増えた今後は、こうした「ベストオーナーは誰か」という判断もより重要になるでしょう。業績だけでなく、経営戦略との適合性や市場の将来性なども含めた総合的な判断のもとで、アセットの「選択と集中」を進めていきます。

 ヤフーでは、全事業に「財務コントローラー」を配置し、小規模なプロモーションであっても投資効果を徹底管理しています。既にこのような業績管理のノウハウはグループ各社にも展開していますが、今後はLINEにも展開することで収益性の向上を進めていきます。

経営資源の効率活用

社会課題解決への貢献

カーボンニュートラルへの取り組みをはじめ
多様な活動を通して持続可能な未来に貢献していきます

 「株主価値の最大化」というゴールをめざすには、財務・非財務の両面を見ながらバランスよく投資を行う必要があることから、私はESGの統括責任者も兼務しています。「サステナビリティ」は今や全世界の共通テーマであり、企業規模の拡大にともない当社グループの社会的責任もさらに大きくなっています。

 企業の使命として私たちが特に重視しているのがCO2の削減です。ヤフーでは、CO2排出量の大半を占めるデータセンターの環境対策を5年以上前から進め、「2023年度末までに再生エネルギー100%化達成」を宣言しています。さらにZホールディングスでは今年度、国内インターネット企業初となる「グリーンボンド」を発行しました。グリーンボンド発行により調達した資金は、よりエネルギー効率の高いデータセンターの建設運営や再生可能エネルギーの調達に充当していく方針です。また、国内の脱炭素化及び再生可能エネルギー化を促進すべく、「企業版ふるさと納税」の制度を活用し、地方自治体の様々な脱炭素化施策への支援を進めています。

このほか、政府・自治体の進めるDX化の支援、LINEヘルスケアですでに着手しているオンライン診療サービスの拡大など、様々な組織・団体との連携や協働によって、グループ全体でサステイナブルな社会の実現に貢献していきます。

社会課題解決への貢献

株主還元の方針

配当・自社株取得と株価の上昇を合わせたトータルリターンで皆さまへの利益還元に努めます

 中長期的かつ持続的な企業価値の向上を実現していくには、将来の成長を見据えた事業への積極的な先行投資や設備投資が不可欠です。同時に、利益還元を通じて株主の皆さまに報いていくことは、上場会社としての責務であると認識しています。こうした考えに基づき、2020年度の株主配当については1株当たり5.56円(昨年度とほぼ同額の総額422億円)で実施させていただきました。

 当社としては、積極的な成長投資により業績を高め、中長期的に株価を上げていくことが株主の皆さまに対する最大の利益還元であると考えています。今後も配当と自社株式取得による直接的な利益還元とともに、資本効率の向上を意識した積極的な戦略投資の推進によって企業価値の最大化を目指してまいります。