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更新日:2020/09/28

コマース事業

コマース事業の概況

コマース事業の
概況

主要なサービス

  • 「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「ASKUL」「LOHACO」「ZOZOTOWN」など
  • 「ヤフオク!」「PayPayフリマ」などのリユース事業関連eコマースサービス
  • 「Yahoo!トラベル」「一休」などのO2O事業関連eコマースサービス
  • 「Yahoo!プレミアム」「Yahoo! BB」などの会員向けサービス
  • 「Yahoo!ウォレット」「Yahoo! JAPANカード」「ジャパンネット銀行」など

2019年度実績

売上収益

7,427億円

営業利益

807億円

営業利益率

10.9%

市場環境の認識

経済産業省の調査(※1)によると、2019年のBtoC-EC市場規模は19.4兆円(前年比7.65%増)、物販系分野におけるEC化率は6.76%(前年比0.54ポイント増)となりました。日本のEC化率は海外と比べまだ低いものの、年々右肩上がりに上昇しており、今後も上昇余地があると考えられます。また、ネットオークション市場は1兆133億円(※2)と推計されています。
eコマース市場の成長を背景に、国内におけるクレジットカードの利用金額を指す2019年の「信用供与額」は73兆4,311億円(前年比10.1%増)(※3)となり、これも拡大を続けています。政府主導によるキャッシュレス・ポイント還元事業(2019年1月~2020年6月)により消費者の意識も大きく変化し、電子決済の利用促進がますます加速しています。また、新型コロナウイルスという未曾有の危機に直面し、私たちの生活様式にも変化が求められる今、これまで以上にさまざまな分野において急速にオンラインシフトが進んでいます。コマース事業の市場はますます拡大するとともに、ビッグデータ分析をはじめとするテクノロジーの活用、またモバイルペイメントなどの決済手段の普及により、さらなるオンラインとオフラインの融合が進むことが予想されます。

※1※2 出典:経済産業省「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」
※3 出典:一般社団法人日本クレジット協会 「日本のクレジット統計2019年度版」

成長戦略の基本方針

コマース事業では、eコマース関連サービスや会員向けサービス、決済金融関連サービスなどを提供しており、主に3つの成長戦略を推し進めています。

・eコマース取扱高の持続的な成長
・PayPayを起点としたオフラインとの融合
・金融事業の拡大

2019年10月には、新たに2つのサービスの提供を開始しました。個人が固定価格で手軽に取引できる「PayPayフリマ」と、厳選されたストアのみが参加する「PayPayモール」です。伸びしろのあるフリマアプリ市場に本格的に取り組むことで、二次流通事業をさらに成長させていきます。また、規模や形態の異なるさまざまなストアが集まる「Yahoo!ショッピング」に、人気の家電量販店やファッションブランドショップが参加する「PayPayモール」が加わることで、ユーザーのeコマース体験の満足度も向上します。これにより、ショッピング事業の成長をさらに加速させます。これらに加えて、スマートフォン決済サービス「PayPay」と連携し、「PayPayフリマ」アプリの利便性を高めるさまざまなサービスをあわせて提供することで、Yahoo! JAPANのeコマース全体の取扱高伸長を目指します。
ソフトバンクグループ(株)、ソフトバンク(株)、当社の3社が共同出資するPayPay(株)は、日本のスマートフォン決済の圧倒的No.1に成長し、キャッシュレス化を牽引しています。今後は「決済」機能をベースに、「PayPay」を、ユーザーの生活をもっと豊かで便利にする「スーパーアプリ」へと進化させていきます。この一環として、2019年11月から、 PayPayアプリから当社パートナー企業のサービス・商品を予約、注文、支払できる「ミニアプリ」機能の提供を開始しました。キャッシュレスでの決済システムにとどまらず、人々の生活を豊かで便利にしていくサービスとして今後も進化させていきます。
金融事業については、ガバナンス強化とインターネットサービスとは異なる事業・財務上の施策が必要となることから、金融事業を統括する子会社「Zフィナンシャル(株)」を2019年5月に新設しました。マルチパートナー戦略や自社サービスを活かした「シナリオ金融」を力強く推進し、さらなる事業領域の拡大と企業価値の最大化を目指します。

事業戦略の進捗と見通し

2019年度の実績

2019年度のコマース事業の売上収益は7,427億円(前年度比14.3%増)、全売上収益に占める割合は70.5%となりました。「Yahoo!ショッピング」における広告売上収益が増加したことに加え、アスクルグループやワイジェイカード(株)の売上収益が増加したことや2019年11月に(株)ZOZOを子会社化したことが寄与しました。営業利益は販売促進活動等の効率化により、807億円(前年度比44.7%増)となりました。

ショッピング事業取扱高は、1兆347億円(前年度比34.5%増)と引き続き市場の成長率を上回ってシェアを伸ばしています。「Yahoo!ショッピング」は、出店ストアによる広告売上収益を通期で416億円(前年度比26.5%増)に拡大させ、「Yahoo!ショッピング」および「PayPayモール」取扱高に対する広告売上の割合は通期で5%まで伸長しました。ポイント還元施策などによる販売促進活動費の効率化を図ることにより、取扱高の成長に加えて収益性も向上しています。また、2019年11月に(株)ZOZOを連結子会社化しました(Topics参照)。リユース事業取扱高は8,041億円(前年度比1.3%減)となりました。先述のとおり、大きな成長が見込まれるフリマアプリ市場への本格参入のため、「PayPayフリマ」のサービス提供を開始しました。(株)一休などを含むO2O(トラベル、飲食予約等)事業などの取扱高は、台風や消費増税後の反動、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛に伴い、4,148億円(前年度比16.1%増)となりました。
決済事業では、「PayPay」とのシナジーや政府によるキャッシュレス還元事業などの後押しもあり、クレジットカードの有効会員数はサービス開始から6年で716万人(前年度末比13.2%増)、取扱高は2兆217億円(前年度比55.2%増)と順調に成長いたしました。さらに自社決済サービスを成長させ、収益性を高めてまいります。

2020年度の重点施策

eコマース(物販)においては、取扱高日本一の実現に向け、「売り手」「買い手」の双方にとって、便利で快適な環境を設定し、常に進化させています。2020年度は引き続き、この観点からの施策に注力していきます。例えば、「PayPayモール」では、店頭で販売している在庫も検索、購入できるようにし、好きな場所での商品受け取りも可能とします。今までのインターネットモールにはないようなサービスを目指し、今後も付加価値の高い提案に努めます。また、ファッションカテゴリの強化に向けて、(株)ZOZOとの連携施策によるシナジー創出にも取り組みます。「ZOZOTOWN」のPayPayモール出店以降、ファッションカテゴリの新規購入者、取扱高ともに拡大しており、2020年8月に「ZOZOTOWN」へのPayPay導入が完了しております。
金融事業では、引き続き「シナリオ」金融構想の実現を目指します。当社グループの強みは、検索、EC、決済、旅行など、「調べる」「買う」「予約する」「支払う」といったユーザーアクションを促す数多くのサービスを提供していることです。この強みを活かし、提供サービスのシーンに沿って最適な金融商品を提案するよう取り組んでいきます。例えば「ヤフオク!」における中古商品の購入画面で修理保険も申し込めるといったように、ユーザーアクションを起こす際にワンストップで金融商品の購入や申込ができる機会を増やします。「シナリオ金融」の実現により、ユーザーの利便性を向上させるとともに、サービス自体の魅力向上にもつなげられるものと考えています。将来的には、金融事業を、コマース事業やメディア事業に並ぶ、第三の収益の柱に成長させていきます。

Data

マーケットデータ

国内EC(物販)市場規模とEC化率の推移
* 出典:経済産業省「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」

EC物販市場成長率*とショッピング事業取扱高成長率の比較
* 出典:経済産業省「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」

KPI(Key Performance Indicator)

ショッピング事業取扱高の推移

リユース事業取扱高の推移

実績関連データ

「Yahoo! JAPANカード」有効会員数の推移

Topics

(株)ZOZOとの資本業務提携

コマース事業におけるファッションカテゴリの強化を目指し、2019年11月に、(株)ZOZOを買収しました。同社が運営するファッションECサイト「ZOZOTOWN」の「PayPayモール」への出店により、今まで「Yahoo!ショッピング」のファッションカテゴリで買いものをしていなかったユーザーによる新規購入が増加し、取扱高も拡大しています。それらの新規購入者の多くは(株)ZOZOにとっても新規ユーザーであることから、相互に顧客層を補完する形となり、両社の成長につながっています。2020年8月には、「ZOZOTOWN」本店へのPayPay導入が完了しております。今後もさまざまな連携施策でシナジーを創出し、当社と(株)ZOZOのさらなる成長を図ります。

(株)ZOZOとの資本業務提携

物流を中心とした新たなコマース戦略

当社は2020年3月、ヤマトホールディングス(株)との業務連携に向けた基本合意を締結しました。これは、「Yahoo!ショッピング」の出店料と売上ロイヤルティの無料化を実現した2013年の「eコマース革命」に続き、「欲しいものが欲しい時に手に入る」の実現を目指すという指針のもと、物流・配送強化の一環として実施したものです。
この提携によって物流品質の大幅な改善を図り、翌日配達率の向上や、ヤフーのeコマースサービスに出店していただいているストアの負担軽減を実現します。また、当社は「Xショッピング」構想のもと、2020年3月から「PayPayモール」において店頭在庫表示を試験的に開始しており、今後はその在庫から商品を購入することもできるようにします(※)。「Xショッピング」の実現により、各ストアは「PayPayモール」上で取り扱う商品数を拡充でき、ユーザーにとっては商品の選択肢が増え、当社は対象市場をオフラインを含めたBtoC物販市場にまで拡大できます。今後もこうした取り組みを進め、国内eコマースNo.1に向けて力強く前進します。

※「PayPayモール」上で実店舗の在庫から欲しい商品を検索、購入できる機能を提供するとともに、購入した商品を最寄りの実店舗で受け取ることができるようにすることで、ユーザーはより幅広い選択肢から買い物ができ、欲しいと思った時に、配達を待つことなく商品を入手できます。出店ストアの実店舗の集客増、商品を受け取りに来たユーザーが店舗にある別の商品を購入するなどの「ついで買い」にもつながると見込んでいます。

物流を中心とした新たなコマース戦略

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