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更新日:2021/10/25

コマース事業

コマース事業の概況

コマース事業の
概況

主要なサービス

  • 「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「ZOZOTOWN」「ASKUL」「LOHACO」「LINE FRIENDS」「LINEギフト」(*1)などのショッピング事業関連eコマースサービス
  • 「ヤフオク!」「PayPayフリマ」などのリユース事業関連eコマースサービス
  • 「Yahoo!トラベル」「一休トラベル」などのサービス関連eコマースサービス
  • 「Yahoo!プレミアム」などの会員向けサービス
  • 「PayPayカード」「PayPay銀行」「LINE証券」などの決済・金融関連サービス(*2)

*1 2021年度からLINEのサービス追加
*2 決済・金融関連サービスについては、2021年度より戦略事業セグメントに移管

2020年度実績

売上収益

8,402億円

営業利益

1,112億円

営業利益率

13.2%

*旧コマース事業の実績

市場環境の認識

経済産業省の調査(*1)によると、2020年のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は19.3兆円(前年比0.43%減)となった一方、物販系分野におけるEC化率は、8.08%(前年比1.32ポイント増)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の影響が物販系やデジタル系の市場規模拡大に大きく寄与したことが要因です。旅行や飲食などのサービス系分野の市場規模は大きく減少したものの、EC化率は増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。また、ネットオークション、フリマアプリ市場を含むCtoC-EC市場規模1.9兆円(前年比12.5%増)(*2)と推計されています。
eコマース市場の成長を背景に国内におけるクレジットカードの利用金額を指す「信用供与額」は74兆4,576億円(前年比1.4%増)(*3)と微増でしたが、キャッシュレス決済が利用できる場所・機会は大きく増えており、今後も電子決済の利用が加速すると期待しています。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の推奨や、人々の外出機会の減少を受け、これまで実店舗でのビジネスを主体としてきた事業者においても、商取引の電子化が加速しています。このような状況から、コマース事業の市場規模はさらに拡大していくことが予想されます。

成長戦略の基本方針(コマース事業)

コマース事業は、eコマース関連サービスや会員向けサービス、決済金融サービスなどを提供しています。

・物流・配送強化によるeコマース取扱高のさらなる成長
・LINEとのシナジーによる新たなコマース体験の提供
・決済・金融事業の拡大

ショッピング事業では、「欲しいものが、欲しい時に手に入る」買い物体験の実現に向け、ヤマトホールディングス(株)と連携し、「Yahoo!ショッピング」および「PayPayモール」のストアに新たな物流サービスの提供を開始しました。今後は、受注から出荷・配送業務までの全体を代行する「フルフィルメントサービス」と、その一部の機能を代行する「ピック&デリバリーサービス」の提供を通じてストアの出荷作業の負担軽減を図ります。また、配送品質を改善させることでユーザーのeコマース体験の満足度を向上し、ショッピング事業の成長をさらに加速させます。

併せて、コマース事業のさらなる拡大に向けてLINEを活用したソーシャルコマースを将来的な成長ドライバーとすることを目指します。この取り組みは国内有数の利用者基盤を持つヤフー・LINEの強みを生かした我々独自の取り組みになると考えており、新たな機能や価値を提供することで競合との差別化を図ります。この市場は、日本においてはまだ発展途上ではあるものの、中国や韓国などでの成功事例を研究しており、新たな市場を力強く創出していきます。

なお、これまでコマース事業の配下にあった決済金融事業は、LINEの事業も含めて、2021年度から新たな事業区分「戦略事業」に移管し、メディア・コマース事業に次ぐ第3、第4の収益の柱を創出していきます。その核となる決済・金融事業は、決済を起点としてあらゆる金融サービスに広げることでマネタイズを本格化していきます。

事業戦略の進捗と見通し

2020年度の実績*

当連結会計年度のコマース事業の売上収益は8,402億円(前年度比24.4%増)、全売上収益に占める割合は69.7%となりました。これは、2019年11月に(株)ZOZOを連結子会社化し、同社の売上収益が好調に推移したこと、ショッピング広告売上収益が増加したこと、ワイジェイカード(株)の売上収益が増加したことなどが要因です。その結果、営業利益は1,112億円(前年同期比45.7%増)となりました。
ショッピング事業の取扱高は1兆5,014億円(前年度比45.1%増)とコロナ禍での需要拡大を追い風に大きく成長しました。ショッピング広告売上収益は通期で547億円(前年度比31.5%増)に拡大し、「Yahoo!ショッピング」および「PayPayモール」取扱高に対する広告売上の割合は通期で5%超まで伸長しました。また、ポイント還元施策などによる販売促進活動費の効率化を図ることで、取扱高の成長に加えて収益性も向上しています。

リユース事業の取扱高は「ヤフオク!」の成長に加え、「PayPayフリマ」の利用増が取扱高拡大に貢献し、8,502億円(前年度比5.7%増)となりました。

(株)一休などを含むO2O(トラベル・飲食予約など)事業では、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛の影響はあったものの、Go Toキャンペーンの効果もあり、取扱高は5,179億円(前年度比24.8%増)となりました。

決済・金融事業は、「PayPay」とのシナジーや政府によるキャッシュレス還元事業などの後押しもあり、クレジットカード取扱高は2兆4,281億円(前年度比20.1%増)、PayPay銀行の預金残高は1兆2,168億円(前年度比32.2%増)、銀行の貸出金残高は2,472億円(前年度比153.8%増)と順調に成長しました。

*旧コマース事業の実績

2021年度の重点施策

 ショッピング事業では、引き続きヤマトホールディングス(株)との連携を通じて物流および配送を強化し、ストアの出荷作業の負担軽減や翌日配達率の向上を支援していきます。併せて「優良配送」支援の取り組みを通じてユーザーの買い物体験を向上し、優れた配送体験を提供しているストアのさらなる売上拡大を目指します。このように「売り手」「買い手」の双方に便利で快適な環境を整備し、常に進化し続けることで、eコマース(物販)取扱高日本一の実現を目指します。
また「Yahoo!ショッピング」、「PayPayモール」の出店ストアにLINE公式アカウントの導入を促し、ショッピング事業の取扱高拡大を目指します。加えて、LINEのソーシャルグラフ(*1)を活用したギフト体験、友人やグループの共同購入による低価格でのショッピング体験など、コミュニケーションを軸にした新たな購買体験を普及させ、グループ全体のコマース事業を大きく飛躍させるべくまい進していきます。

決済・金融事業(新事業区分「戦略事業」)では、PayPay(株)の利用者基盤を生かし、金融サービスを拡大させることでマネタイズを本格化していきます。また、「PayPay」ブランドを軸とした金融サービスの展開、マルチパートナーシップ戦略による多様な金融商品の提供によって、フィンテックを中心に新たな収益の柱となるよう育成していきます。

*1 Web上の人間関係やその結びつき・つながり、その関係図

Data

マーケットデータ

国内EC(物販)市場規模とEC化率の推移
* 出典:経済産業省令和2年度 「産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」

EC物販市場成長率*とショッピング事業取扱高成長率の比較
* 出典:経済産業省令和2年度 「産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」

KPI(Key Performance Indicator)

ショッピング事業取扱高の推移

リユース事業取扱高の推移

実績関連データ

「Yahoo! JAPANカード」有効会員数の推移

Topics

「優良配送」のアイコン表示を開始

本質的なサービス品質改善によるユーザー体験の向上は、サービスの拡大において非常に重要であり、eコマースにおいては「配送品質向上」がそれにあたります。当社グループでは、その実現に向けて、出荷遅延率・該当商品の受注からお届けまでの早さなど「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」が定める一定基準を満たした商品について検索結果や商品ページで「優良配送」のアイコンの表示を始めました。これによって配送品質の高い商品がわかりやすくなり、ユーザーは商品を購入する際の判断材料として活用できます。実際に「優良配送」を体験したユーザーからは「マークがあると安心する」「発送が早く安心感がある」などのアンケート結果(*1)が寄せられています。また、「優良配送」商品の拡大に向けて2021年2月から「優良配送」の注文1件につき、ストアに最大100円をキャッシュバックするキャンペーンも実施しました。その結果、取扱高に占める「優良配送」の比率は2021年6月において2月時点の約1.2倍と堅調に拡大しました。引き続き、ユーザーに安心して選んでいただける「優良配送」商品を増やしていくため、ストアを支援する施策にも取り組んでいます。

*1 Yahoo!ショッピング、PayPayモールユーザーアンケート調査

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金融サービスのブランド統一

Zホールディングス傘下の中核企業の一つであるヤフー(株)が出資するPayPay(株)のスマホ決済サービス「PayPay」は、累計ユーザー数が4,200万人(*1)を突破するなど、多くのユーザーが利用するサービスへ急速に成長しています。ヤフーは、オンラインサービスに「PayPay」決済を導入しているほか、「PayPayボーナス」などの特典の付与、eコマースサービス「PayPayフリマ」「PayPayモール」の開始など、「PayPay」との連携を強固にすることで、急速に成長する「PayPay」のユーザーを取り込み、コマース事業の成長を加速させています。
同様に、銀行やクレジットカード、保険など、Zホールディングス傘下またはZホールディングスが出資する金融事業会社が提供する金融サービスも「PayPay」との連携を強化し、金融事業の成長を目指します。その際、わかりやすい名称とすることでユーザーに親しみをもってサービスを利用いただくために社名やサービス名を「PayPay」ブランドに統一することとしました。
今後も「PayPay」との連携を強化し、「PayPay」が掲げるユーザーの生活をもっと豊かで便利にする「スーパーアプリ化」構想の実現に向け、「PayPay」アプリにおいて「ローン」や「保険」といったZホールディングスグループの金融サービスの提供を拡充していきます。

*1 アカウント登録を行ったユーザー数の累計(2021年9月末時点)

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